私の勤めていた会社は、総合商社でありとあらゆる物を取り扱っていました。
メインのメーカー商材はある物のその商品は滅多に購入する事の無い様な商品で一つ数千万円するものもあります。
数千万の物を販売しても利益は数十万だったりと割に合わない為、ありとあらゆる商材を用いて利益を得ていました。
私は、とある企業の担当となり最初の内は1日の内に2回、多い時で3回以上足を運び全ての担当者と顔馴染みになる事を心がけました。
元々の商材の多さに加えて、私自身が引っ張ってきた商材もある為、提案に事欠く事は無く日々新しい話を行い、各担当者がどの様な問題を抱えていてどの商材で助ける事が出来るかと四苦八苦していました。
そんな日々を過ごしていると、少しずつ新しい商品が売れ始めて徐々に成果が出始めた事にそれは起こりました。
少し大きい額の注文を頂き、交換の為に作業員を事前に派遣して調査を実施したのですが、作業員が機器の設定を確認モードから通常モードに戻す操作をしないまま帰った為に、夜間に必要な動作をせずに担当者からお𠮟りの電話を頂きました。
私は、飛び起きて着の身着のままで作業着だけ持って現場へ赴き、深夜でしたが現場では煌々と灯りが付いておりました。
私が着いた頃には担当者が帰宅する直前であった為に、お会いする事が出来てお詫びと状況確認を行い、結果的に操業への影響はなかった物の作業員への再教育を言いつけられました。
担当者は私が来た事へ驚き、電話頂いた時ほどのボルテージは無くそのまま一緒に現場調査を実施し
朝食を食べて担当者は帰宅。私はそのまま出社し、事の顛末を報告しました。
当然、次からその企業へ訪問した際にどの担当者からも問題が起こった事を弄られましたが、優しい弄りで自分の時はやめてよねー等の笑い話となりました。
その後、その企業は年間数百万の取引額から数千万の取引額まで増加した所で私が満足してしまい商社を退職しました。
私は普通通りに営業していたつもりですが、退職後に担当になった営業は案件の多さや商品の多さに四苦八苦していると聞いています。
普通通りに営業するって難しいですね。