オフィスコーヒーサービスの営業をしていた時のことです。
ノルマこなすため、毎日飛び込みで営業まわりをしていました。
門前払いは当たり前、会社の窓口でパンフレットを受け取っていただけても、なかなかサンプリングや商談の話までできないことが多いです。
相手のかたはお仕事中ですからね、忙しい中応対していただいただけでも感謝です。
自社だけでなく、ライバル企業も営業にまわるので、断るのに慣れているお客さまもいらっしゃって、そこの話を一歩進めるのが難しかったり、楽しかったり。
ライバル企業との取り引きをされているところも多く、「もう契約してるの、ごめんね」と断られるケースも結構あります。
今回、とてもうれしい言葉をいただけたのも、すでにライバル企業と取り引きをされているところでした。
はじめて訪問した際、ドアを開けると目の前に他社のコーヒーメーカーが。
挨拶と同時に目が合ったスタッフの方に、「(コーヒーメーカーを指でさし)だから、ごめんなさいね」と言われ、ドアを開けたまま、そこから入ってこないでという感じを受けました。
雰囲気からも、断るのに慣れているよう。
「また来ますね」
とだけ告げ、その場を後にしました。
次の日、サンプルを持ち再度訪問。
「こんにちは!」
と、ドアを開けると、今度はスタッフの方たちが驚いた顔をされています。
初めての空気感。
今度は受付の方が丁寧に対応してくださり、オーナーさんに会うことができました。
やはり今取り引きしているところがあるから…とのお返事でしたが、
会っていただいたことの感謝を伝え、なぜ驚かれていたのかを尋ねてみました。
昨日断られ帰ったあと、
今まで同じようなサービスで何度となく断ったけど、「また来ますね」って次来た人、誰もいないよね、来ないなら言わなきゃいいのに…という話しになっていたそうです。
そこにオーナーが、「じゃあ、次来たら会ってやるよ」と言われたようです。
だから今日わたしがお店にきて、正直「しまった、言わなきゃよかった」と思ったと、笑いながら話してくださいました。
その後、サンプリングからエスプレッソの機材を気に入っていただき、契約していただくことができました。
営業にもいろいろなかたちがありますが、『誠実に向き合い、チャンスを生かす』ことの大事さを改めて感じることができました。